在西オーストラリア州の領事団が主催する「ワールドフードフェスティバル」が11月18日、西オーストラリア州総督邸で開催された。晴天に恵まれた当日、庭園に設けられたブースでは各国の食事や飲み物が、ステージでは民族舞踊が披露され、会場は国際色で満ちあふれた。
日本関係では、在パース日本国領事館、兵庫文化交流センター、JETAAWA(JETプログラム同窓組織)が参加。すし、焼きそば、たこ焼き、ギョーザなど定番フードのほか、兵庫県特産のそうめんやゴーフルも振る舞われ、各ブースとも長蛇の列ができた。
また、ボールルームでは日本やインドネシア、中国の踊りも披露され、トップバッターでパース日本人学校が登場。児童、生徒による南中ソーランの踊りは観衆から万雷の拍手喝采を浴びていた。
日本人学校の十八番「南中ソーラン」
パース市内のシュプリームコートガーデンで、去る11月9日から5日間にわたり「スワンフェスティバル・オブ・ライツ」が盛大に行われた。このイベントは、光をテーマにパースの多文化社会を踊り、音楽、食事などを通じて祝い、紹介しようというお祭りで、開催中は3万人を超える来場者があった。
特設ステージではインド、スペイン、中国やアフリカの演目が繰り広げられたほか、ユースバレエWAによるバレエなども披露。毎晩のフィナーレには花火も打ち上がり、ピクニックシートを広げた観衆は思い思いに多文化を楽しんだ。
また今回は、日本人アーティストとしてスワン・まやさんが初参加し、ステージで演歌を熱唱。スワンさんは「音響、照明ともディズニーランドを思わせるほど本格的なステージで歌うことができ感謝しています。スワン川を望むこの場所で行われるこのような催しは、参加していてもとても癒やされます。次回の開催でも日本の歌や踊りをパースの人々に楽しんでいただき、そしてより多くの日本人にも参加していただきたいです」と語った。
このイベントは非営利団体「ザ・テンプル・オブ・ファインアーツ」と「アナラクシュミ・カルチャーセンター」の主催により2008年より毎年行われている。
演歌で日本の音楽文化を披露するスワン・まやさん
去る11月3日、落語家の三遊亭白鳥さんが日本から来豪し、パースでめったに触れることのできない伝統芸能を披露してくれた。
まずは日本人学校とパース補習授業校の子供たちを対象にした落語教室が行われ、その時の感想を白鳥さんは次のように語った。「あまり日本文化に接していない子供たちに受け入れてもらえるか心配だったが、日本以上の感度の良さで子供たちが参加してくれ、驚きとともにうれしさを感じた」。
また、新しいことに接して学ぼうとする子供たちの真摯な姿にも感動したという。「最初はまったく興味を示していなかった子が、最後には食い入るように落語を見ていた様子が印象に残っている。これからもどんどん落語好きになってもらいたい」とも語った。
夕刻からは一般対象の独演会も行われ、100人を超える聴衆を前に新旧取り混ぜた演目を披露し、会場を笑いの渦に巻き込んだ。
なお、この独演会は西豪州豪日協会、虹の会、兵庫文化交流センター、パース補習授業校、パース日本人学校などの協賛によって実現した。
貴重な機会をもたらしてくれた三遊亭白鳥さん
和歌山県およびわかやま産業振興財団は、去る10月18日、ジェトロ・シドニー事務所にて「わかやま産品商談会inオーストラリア」を実施した。
この商談会は、同県内企業の優れた技術・製品の販路開拓、販売促進に関する支援を目的とした「わかやま産品販路開拓アクションプログラム2012」の一環として行われたもの。
今回は和歌山から5社が参加し、シドニーの飲食業関係者や日系企業など約100人が来場するなか、ビジネスへつなげるべく、それぞれの特徴をアピールした。
また、和歌山県産の和室家具を利用した茶席では、茶道裏千家シドニー協会の協力により、和歌山の抹茶と和菓子が振舞われるなど大いに盛り上がりを見せた。
一行は、10月16日から5日間にわたり、商談会の他、貿易関連の聞き取り調査や市場調査、販促活動などを精力的に実施。16日の訪問初日には、在シドニー日本国総領館との共催によるレセプションが総領事公邸にて開催され、和歌山県の観光PRの他、梅酒のテイスティングや和歌山産品を用いた料理を食しての意見交換が活発に行われた。
この商談会を企画した、和歌山県商工観光労働部企業政策局の口井隆司さんは「今回のミッションは、総領事館、ジェトロ、自治体国際化協会の他、多くの方々の協力のおかげで予定通り無事実施することができ大変感謝しています。成約に至った商談や、次回に繋がる企画の提供、人間関係構築などの成果があり、今後も継続的に実施していきたいと考えています」と語り、積極的に海外事業を推進していく考えを示した。
和歌山県のポスターや産品が並べられるなど、和歌山色でいっぱいになった商談会場
和歌山から持ち込んだ和室家具を利用しての茶席
<わかやま産品商談会 参加企業>
株式会社クリーンサワ
地球環境を汚染しない完全クローズド洗浄方式「グリーンドライ」を開発したクリーニング機メーカー。界面活性剤を使わない衛生的で、清潔なクリーニングを実現。
http://www.cleansawa.jp/
中野BC株式会社
こだわりの日本酒、和歌山産南高梅を使用した梅酒に果実などを加えた約30種類の「カクテル梅酒」、その他みりん、焼酎、スピリッツ、果実酒などさまざまな酒類の製造販売。
http://www.nakano-group.co.jp/index.html
株式会社丸紀
フローリング・和風造作・プランターなど紀州材を使った商品を製造・販売。紀州より日本の心「和」を世界に広げようと、紀州の檜と畳を使った「置き和室シリーズ」を展開。
http://www.blog-maruki.com/
合名会社丸正酢醸造元
明治12年創業、和歌山県那智勝浦で昔ながらの醸造で造られる無添加の酢の製造、販売。「那智黒米寿」はモンドセレクション最高金賞を3年連続受賞。
http://www.marusho-vinegar.jp/
株式会社やすい
お客様のために安くて美味しいお米を創るという社是のもと、銘柄でお米を評価するのではなく、本当の美味しさを徹底して追求し、良質なブレンド米を厳選販売。
http://www.yasui-rice.com/
(順不同)
日本政府観光局(JNTO)シドニー事務所は10月3日、パース市内パンパシフィックホテルで旅行業界・メディア関係者を招いての「ジャパン・エンドレス・ディスカバリー・セミナー」を開催した。
オーストラリアからの観光客誘致を目的としたこのセミナーには、日本から新潟(妙高高原)、東京、長野(白馬、志賀高原、野沢温泉)、京都、兵庫、沖縄の地元代表が参加し、趣向を凝らしたプレゼンテーションで各地の魅力をアピールした。
セミナーに先立ちあいさつした石川達雄・在パース日本国総領事は「パースからのアクセスは必ずしも良いとは言えないが、行けばその価値が分かるのが日本」と温泉の入り方のコツなどを交え、日本への旅行を推奨。
プレゼンテーション後には琴の生演奏で日本文化の一端が披露された他、ネットワーキングセッションでは参加者たちが熱心に情報交換を行っていた。
ユーモアをちりばめたプレゼンテーションも好評