去る２月18日、訪日中のコリン・バーネット西オーストラリア州首相が外務省を訪れ、午後４時から約35分間、中曽根弘文外務大臣と懇談した。
まず中曽根大臣から、バーネット州首相の就任後初の外遊先が日本であることは光栄であるとして訪日歓迎の意が伝えられ、続いて日本にとって資源・エネル ギーおよび食料の重要な供給地である西オーストラリア州との今後の関係強化を期待するとともに、同首相によるウラン開発解禁に見られるような、さらなる投 資環境の改善が要請された。
これに対しバーネット首相からは、西オーストラリア州経済は日本企業の大規模投資により発展した歴史があり、その関係を重視し今後も天然資源・食料の安定供給を目指したいと応答した。
また中曽根大臣は、西オーストラリア州で日本語教育が盛んであることに触れ、日本語学習者が実際に訪日して交流する機会がさらに増えるよう努力していきたい旨述べた。
さらに同大臣は捕鯨問題にも触れ、シーシェパードによる妨害行為は関係者の身体・生命を危うくする許し難い不当な行為であり誠に遺憾であり、妨害行為の再発防止に向け西オーストラリア州や国際社会の協力を求めたいと述べた。
バーネット首相は、立場の違いを外交的に解決する必要があるが、危険な妨害行為については自分も支持しないと答えた。
同首相は、疎遠になりつつあると懸念される西オーストラリア州と日本の関係を再確認することを主な目的として２月15日から19日まで日本を訪問。日本政 府や通商、産業関係の企業トップとの18の会談や会合に出席するスケジュールを精力的にこなす中、姉妹関係にある兵庫県にも足を運び、井戸敏三知事、矢田 立郎・神戸市長を表敬訪問し、西オーストラリア大学と学術交流を続けている神戸大学も訪問した。

　コリン・バーネット西オーストラリア州首相は３月８日、シニアおよび高齢者・障害者手当受給者は４月４日から平日の午前９時?午後３時30分と、土・日・祝日は終日、無料でパースのバス、電車、フェリーを含む公共交通機関の利用が可能になることを発表した。
スマートライダー・システムが導入されたジェラルトンでも利用可能で、州政府が地方都市バスサービスを提供しているその他主要都市においては、コンセッション・カードを提示すれば無料で利用できる。
シニア・カードの保持者は現在使用しているシニア・スマートライダーを引き続き使用できるが、高齢者・障害者手当受給者はコンセッション・スマートライ ダーを再プログラムする手続きを行う必要がある。またスマートライダーを保持しない人はこのサービスを受けるために、新規に申請を行わなければならない。

　２月３日に連邦政府が発表した経済刺激パッケージ第２弾は、同月13日に上院を通過し、成立の運びとなった。国内経済へのてこ入れと深刻な不況回避を狙い、総額420億ドルを投入し、うち120億ドルが中低所得者などへのボーナス給付に充てられる。
ボーナスの現金支給額は以下の通り。
・課税所得８万ドル以下＝900ドル
・課税所得８万ドル超、９万ドル以下＝600ドル
・課税所得９万ドル超、10万ドル以下＝250ドル
約870万人の納税者がこのボーナス支給の恩恵を受ける見通しで、07／08年度の確定申告済みの人は特別に申請の必要はなく、支給対象と見なされれば、 ４月より銀行振込や小切手などによって支給が開始される。確定申告を行っていない人はボーナスを受給するために、昨年度の確定申告を今年６月30日までに 行わなければならない。

　パースで1989年に結成された日本人によるコーラスグループ「コールなでしこ」が、来る３月７日、西オーストラリア大学 内Callaway Auditoriumで20周年記念コンサートを開催する。
パース在住の日本人 30人によるこのグループは、さまざまな日豪交流イベントや日本人学校文化祭などで、その歌声を届け続けて20年。今回は懐かしい日本の曲の数々、ヴィ ヴァルディの合唱曲「グローリア」など、今回の記念コンサートに向けた練習の成果を披露してくれる。

コンサート概要
日時：2009年３月７日（土曜日）午後３時?４時30分
会場：UWA（西オーストラリア大学） School of Music
Callaway Auditorium
35 Stirling Hwy, Crawley WA (car park No. 1 & No. 2)
入場無料
問い合わせ：Tel 0405 046 337 仲（なか）さんまで

　去る２月20日、JETプログラム（Japan Exchange and Teaching Program）参加者の帰国を祝うレセプションが、在パース日本国総領事公邸で行われた。
このプログラムは、日本の外国語教育の充実と地域の国際交流の進展を図ることを目的として1987年に開始。西オーストラリア州からは、これまでに500人近くが参加し、日豪間の交流、日本の国際化に貢献している。
帰国者は、外国語指導助手として兵庫県へ配属されていた５人と熊本県に配属の１人が出席し、彼らによるプレゼンテーションでは貴重な滞在経験の様子が披露された。
レセプションには西豪州政府関係者、日系企業、教育機関、豪日交流協会、同プログラム同窓会会員ら約60人が出席し帰国を祝った。

JETプログラム帰国者たち（左から）
Cassie Thoo, Michelle Scholes, Andrew Philpott, Erin Winton, Kieran Golby, Phillip McLean